津波と地名
2011年 05月 06日
「流」「長瀞」「頭無」、わが町と隣の山元町にある地名である。
普段は、当たり前の地名だと思っていたのだが、今回の震災で大きな被害を受けて見ると改めて、考えさせられる名称である。いずれも「水」に縁がある。低湿の地なのだが、最近の宅地開発で、多くの人が住むようになった。
少しばかり奇妙にも思える住所を冠して、他所から移り住んだ人たちは、住みよいところだと満足している人が多かった。
「流」地区は、浜吉田駅前一帯にあり、かつては、大きな谷地であった。特にその146番地は広大な面積がある。何百軒かの家が同じ番地なのである。区別するのに番地の下にまた数字を設けている。146-○○○○、枝番はもう1300を越えている。それでもまだまだ空き地がある。海岸から2km程のこの一帯は、津波で大きな被害を受けた。かつては大雨が降ると洪水状態が続いた土地だったのであろう。排水施設が整備されて山からの水には強くなっていたが、海水が来るとは思われていなかった。
「長瀞」も、そんな感じのところだったのだろう。静かなる流れのあるところという意味であるが、阿武隈山脈の北端に降り注いだ雨が静かに海にそそいだのだろう。傾斜の弱い土地なのである。逆に少し離れた私の住む街中には動転沢という川がある。これは山に降った雨が一気に沢に集まり流れ下るためである。現在は砂防ダムがこれを抑えている。
「頭無」(カシラナシ)は、山下駅一帯の地区である。出水した時にどこから水が来たのかわからないが、大きな水溜りが出来てしまうというような意味合いのもので、頭が無いということだ。全国的にも何箇所かこの地名がある。最初にこの地名を見た人は、首のない死体の捨てられたところと思ってしまうようだ。
今や、いずれも瀟洒な住宅の建つ閑静なところだったが、それも過去形になってしまった。どんな復興プランになるのか、あるいは数十年が過ぎると忘れ去られて、また多くの人が住むようになるのか、被災地はまだまだ、戦後の焼け野原状態だが、人間が住む場所とはつくづく難しいものだと思っている。
普段は、当たり前の地名だと思っていたのだが、今回の震災で大きな被害を受けて見ると改めて、考えさせられる名称である。いずれも「水」に縁がある。低湿の地なのだが、最近の宅地開発で、多くの人が住むようになった。
少しばかり奇妙にも思える住所を冠して、他所から移り住んだ人たちは、住みよいところだと満足している人が多かった。
「流」地区は、浜吉田駅前一帯にあり、かつては、大きな谷地であった。特にその146番地は広大な面積がある。何百軒かの家が同じ番地なのである。区別するのに番地の下にまた数字を設けている。146-○○○○、枝番はもう1300を越えている。それでもまだまだ空き地がある。海岸から2km程のこの一帯は、津波で大きな被害を受けた。かつては大雨が降ると洪水状態が続いた土地だったのであろう。排水施設が整備されて山からの水には強くなっていたが、海水が来るとは思われていなかった。
「長瀞」も、そんな感じのところだったのだろう。静かなる流れのあるところという意味であるが、阿武隈山脈の北端に降り注いだ雨が静かに海にそそいだのだろう。傾斜の弱い土地なのである。逆に少し離れた私の住む街中には動転沢という川がある。これは山に降った雨が一気に沢に集まり流れ下るためである。現在は砂防ダムがこれを抑えている。
「頭無」(カシラナシ)は、山下駅一帯の地区である。出水した時にどこから水が来たのかわからないが、大きな水溜りが出来てしまうというような意味合いのもので、頭が無いということだ。全国的にも何箇所かこの地名がある。最初にこの地名を見た人は、首のない死体の捨てられたところと思ってしまうようだ。
今や、いずれも瀟洒な住宅の建つ閑静なところだったが、それも過去形になってしまった。どんな復興プランになるのか、あるいは数十年が過ぎると忘れ去られて、また多くの人が住むようになるのか、被災地はまだまだ、戦後の焼け野原状態だが、人間が住む場所とはつくづく難しいものだと思っている。
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schmidt
at 2011-05-10 16:52
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まったくその通りですね。地名には、遠い昔の記憶のかけらがすりこまれているものがあります。旧名保存のような単なる復古趣味ではなく、人間の暮らしを設計する知恵、情報としてしっかり体系化する必要があります。
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watari41
at 2011-05-10 20:09
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町名・市名にもそんな感じを持ってました。南三陸町、南相馬市、もっと良い名前があったのではと。まぎらわしいものもあります。伊達市ですね。北海道と福島県と、そのうちに何か間違いを起こさなければよいがと。schmidtさんコメントをありがとうございます。
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watari41
at 2011-05-12 10:14
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液状化現象でやられたところは本来は
どんな地名だったのかと思うのです。
わが町にも海岸近くに内浦とか、危ないところがありましたが、津波で全ては消されてしまいました。クオリアさんコメントをありがとうございます。
どんな地名だったのかと思うのです。
わが町にも海岸近くに内浦とか、危ないところがありましたが、津波で全ては消されてしまいました。クオリアさんコメントをありがとうございます。
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sidu-haha at 2012-07-14 12:12
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watari41
at 2012-07-14 22:34
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頭無(カシラナシ)と呼びます。昔は大きな水溜りの場所でした。通常水溜りには、湧水のところとか、流れ込んでくる水の位置が特定されるのです。そこを頭と読んでます。頭無は大きな水溜りで、頭がどこかわからなかたのです。常磐線山下駅前周辺で低地なのです。津波ですっかり持って行かれました。sidu-hahaを拝見しました。緑と野鳥の豊かなところですね。山元町も、そんなところでした。コメントをありがとうございます。
by watari41
| 2011-05-06 17:21
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Comments(6)