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余日録


by watari41

粉になる

 ゴパンという家電が売れている。米を入れるとパンが出てくる。米が粉末にされ、同じ機械の中でパンが出来るという仕組みである。
 ご飯を食べていればそんな必要もないと思うのが我ら年配者の考えで、パンという形状を取らないと口に入らないというのだから仕方がない。農業関係者は米の需要拡大に期待している。

 米を「粉」にするという発想はなかったが、金属の粉末にはずいぶんとお世話になった。身近なものでは磁気テープや磁気カードである。鉄粉が薄く塗られていて情報を記録する。私の在職の頃がその最盛期だったのだろうと回想している。VTRも音楽テープも、そのうちに博物館でしか見られないものになるのだろう。

 考えてみれば、いろんなものが「粉」にされている。岩絵の具というものがある、特殊な岩石を粉末にして高級な絵の具にしている。高価なものらしい。

 粉末はそれ自体で使われることもあるが、製品の原料となっていることが多い。パンもそうである。私の扱った金属には、粉末をプレスして焼き固めるという製品も多かった。

 金属原料にもモリブデンなど粉末を固めた状態のものがあった。高い温度で溶けているニッケルなどの湯に少量を溶かしこんで特殊な金属ができあがる。前期の磁気テープなどに情報を書き込んだり、読み取ったりするのである。今やこの機能は「光」を媒体とするブルーレイとかそんなものに変りつつある。かつて時代の最先端を走っていたと思っていたオールドエンジニアは、昔を回想するのみである。
 今後も超微細な粉末が世界をひっくり返す技術になるのかもしれないと思ったりしている。
 人間も最後には、骨となるがこれまた砕かれて粉末となり、自然に帰されることを希望する人たちが増えているようだ。
Commented by ようこ at 2011-03-08 14:09 x
今一番欲しい家電製品は「ゴパン」と、日経新聞かなにかで読みましたが、「ゴパン」はすごい人気ですね。
物を増やしたくない私は買いませんが・・・。

お米の話しから金属の話しになり、最後はお骨ですか。粉の話しが広がりましたね。
Commented by クオリア at 2011-03-08 15:21 x
新製品が続々でてきていますね
米を炭火で炊いたご飯が食べたいこのごろ痛感に思うようになりましたよ
Commented by watari41 at 2011-03-09 21:40 x
いつものクセが出てしまい、話が変な方向に広がってしまいました・・・。
いつも、まとまりがつきません。ようこさんコメントをありがとうございました。
Commented by watari41 at 2011-03-09 21:43 x
十万円以上もの電気炊飯器があって、昔のカマドを再現したような味が出るなどという広告をみたような気がしました。クオリアさんコメントをありがとうございました。
Commented by moai at 2011-03-10 08:54 x
米のパンですか、ご飯大好き人間には邪道としか映りませんが時代の流れでしょう。日本のブランド米が中国の金持ちに広がっているとか、これは大歓迎ですね。日本の限られた風土条件でできる米を高く買ってくれる。潜在需要は数十万トンとか、いいことです。
Commented by watari at 2011-03-10 20:48 x
戦後に米を食うと馬鹿になるというような伝説が流布され、そんな本もでたことがありました。パンがもてはやされたのです。我々田舎者もパンを食べていると何となく近代人みたいな感覚に陥ったものですから、今から考えると不思議なことです。米のパンは何しろ原料が高いので、これを開発・販売している方が当町にいるのですが苦戦しているようです。moaiさん、コメントをありがとうございました。
Commented by たぁ丸 at 2011-11-13 21:44 x
私の友人曰く、「クルマは、キャブレター車。エンジンは鋳物に限る。」なのだそうです。
モリブデン配合のエンジンオイルを入れて
「エンジンを鍛えなおす」と
嬉々としています。
また、エンジンのバリから細かい鉄粉が出てシリンダーを傷めるのでアフターケアに余念がありません。
道具を「育てる」ことがなくなりました。

Commented by watari41 at 2011-11-14 16:45
 セラミックのエンジンが実用まじかになったことがありました。とは言ってももう20年以上も前のことになりますね。試作車が走ったのです。NHKで午後9時からのニュース番組で人気キャスターの宮崎緑さんという方が試乗したのでした。本田の開発車だったように記憶してます。セラミックは高温度に耐えるので、エンジン効率が高くなると
期待されたのですが、幻に終わってしまった技術の一つでした。モリブデンを配合するとおっしゃるように潤滑剤になるんですね。たぁ丸さん、コメントをいただきましてありがとうございます。懐かしい回想ができました。
Commented by たぁ丸 at 2011-11-15 23:24 x
セラミックのエンジンとは初耳でした。セラミックって磁器ですよね?素人考えで、強度に疑問があるのですが、熱効率(?)が高く、潤滑・冷却などが大幅に省略できるメリットを追究する自由な発想に、エンジニアへの尊敬の念を禁じえません。
セラミックで連想したのですが、日本六古窯のひとつ備前焼が須恵器から発展し、桃山時代に茶器として珍重されるまで、酒、醤油の運搬、販売、保存容器として、食器として、日本人の生活を支えていました。
当時、中国大陸のように、技術、材料にも恵まれなかった日本が、密封性に劣る日本の陶器をキャパシティをぎりぎりまで追究した備前焼、そして、白磁器、青磁器への憧れが、陶器に刷毛目、三島手、粉引といった装飾を編み出した先人たち。
また、日本の地域によって、鉄器、漆器、陶磁器の文化の違い。
先人たちの生活の営みの足跡に今日も元気をいただきます。

おじゃましました。
Commented by wqatari41 at 2011-11-16 16:55 x
焼き物なんです。どうしても乗り越えられない壁があったのでしょうね。日用雑貨からスペースシャトルの耐熱タイルまで、用途はさまざまですね。芸術の分野に大きく進展を遂げたのですが、残念ながら取扱いで割れるんですね。
今や磁器は大量生産の時代に入りました。電炉のメーカーが、芸術品の如きコーヒーカップなどを量産しているのです。ノリタケなどのメーカーです。国宝の天目茶碗みたいなものを量産できたら面白いですね。たぁ丸さん再度のコメントをいただきましてありがとうございます。
by watari41 | 2011-03-07 21:16 | Comments(10)