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余日録


by watari41

東京の思い出(5)

 ”山より高いビル”が周囲に立ち並び、東京23区の最高峰「愛宕山」はどこにあるのかわからなくなってしまった。その昔、寛永の三馬術で名高い曲垣平九郎が石段を上下し、近代になってからは、大正末年に日本初のラジオ電波が発信されたところでもある。新橋にも近く、エレクトロ文明発祥の地ともいえそうなところのはずだ。尋ねてみると、そこはもはや放送博物館となっており、文字通り現代文明の谷間に隠れるように佇んでいる。
 これとは逆に時代の脚光を浴びはじめたところもある。”お台場”と聞くと、何かハイセンスなところを思い浮かべてしまう。しかしもともとは、幕末に異国船を打ち払うために設置した大砲の「台場」なのだという。
 東京の地名は全国区になってしまう。「銀座」がその象徴である。繁華街の代名詞となり、全国至るところに「〇〇銀座」が誕生したことがあった。歌にも謳われあこがれの場所になった。赤坂、六本木、原宿などそれぞれに独特の顔を持っていると思う。しかも絶えず変貌をとげているところが魅力でもある。
 究極には「東京」という言葉そのもに文化的なイメージをいだいてしまうというこのブログへのコメントをいただいたが、まさにその通りである。地方から「TYO」というJRの旅行企画が人気であるが、東京は全国最大の観光地でもある。
 主要な道路、鉄道が東京へと向う。田舎者にとっては、上京という言葉には特別な響きがある。参勤交代の時代から4百年間続いてきた流れである。江戸から東京へと呼び名は変ったが、日本のあらゆる中心であり続けている。今、地方の時代とはいわれているが、どのように変えられるのだろうか。東京の思い出を締めくくりたい。
Commented by seten at 2004-09-10 18:06 x
東京 東京この響きと 「このたび上京のため会は欠席します」と「このたび北陸旅行のため会は欠席します」受け取る方も 欠席理由は同じでも上京の響きでなんとなくハイセンスな欠席理由に感じてしまうの私だけでしょうか?人間のこの差はなんなんでしょうか。回顧さんの””東京物語””色々感じました。感謝
Commented by watari41 at 2004-09-10 19:54 x
 上洛は戦国武将のあこがれでした。織田信長が上杉謙信に贈った洛中洛外図は有名ですが、今風にいうと東京名所豪華写真集といことになるのでしょうか。最先端の京文化を伝え、謙信を懐柔しようとしたのでしょうか。現在は国宝になっていますが、当時のことを余すところ無く描いているようです。現代の東京はどのように残されるのでしょうか。古今を問わず「京」という言葉にハイセンスな響きがあるようですね。
by watari41 | 2004-09-09 11:12 | Comments(2)